近年、マラソンや駅伝で記録更新が相次いでいるのをご存じですか?
好記録続出の要因となっているのが「厚底シューズ」。
好タイムが出るということは、カラダには当然その分の負担がかかっているわけで、メリットの裏には必ずデメリットが潜んでいます。
今回は、厚底シューズのメリット・デメリットについてお話していきます。
NIKEの厚底
厚底ブームの火付け役となったのは、NIKEのシューズ。
初登場は、2016年のリオデジャネイロオリンピックだったと記憶しています。
マラソンをするわけではないけれど薄底派の私は、イチ消費者として、パーソナルトレーナーとして、「脚を痛めそうだな」と思ったことを今でも覚えています。
地面を掴む力が大事と、NIKEフリーシリーズを長年愛用してきたこともあってのことだと思います。
*NIKE FREE今も使ってるよ
余談ですが、、、
実はスキーヤーの私。数年前、全日本スキー技術選手権大会に出場していた当時は、スキーのブーツもボトムアップが主流になりつつありました。板も高反発のものが多く、今思えば、道具にはことごとく力負けしていたのですが、当時は道具が自分の力を引き出してくれると勘違いしていました。
厚底 VS 薄底
カーボンファイバープレート搭載の高反発厚底シューズ。
言い方を変えれば、薄底シューズで自分の脚の力が足りなくて、好タイムが出なかった人でも速く走れるよ!というシューズです。
スキーなら、高反発高性能な板がたわみや板の走りを引き出してくれるよ!といったところでしょうか。
腰痛の人なら、このコルセットがあれば痛み半減!とか。
物に頼るのが悪いとは思いません。
でも、道具は使いこなせる人もしくは進化した道具に適応できる人が使わないと、頼りっぱなしでは痛い目にあいます。
楽して勝つ
結論、楽して勝つなんてことはあり得ません。
リスクに見合ったリターンを得るための適切な努力をしていますか?
2020年の箱根駅伝では、210人中、何と177人もの選手が(84.3%)がNIKEの「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」を履いて走り、10区間中、2、3、4、5、6、7、10区の7区間で区間記録が更新されたそうです。
しかし、その裏では疲労骨折などのスポーツ障害に悩まされた選手もたくさんいたのです。
厚底シューズによるフォームの変化
早稲田大学スポーツ科学学術院の鳥居俊教授によると、研究室で高校から実業団までの全国レベルの長距離選手にアンケート調査をした結果、厚底シューズを使った経験のある男子選手408人のうち、「シューズを使った期間に股関節を故障した」という回答がシューズを使っていなかった時と比べて、21件、実に2.3倍に増えていたことがわかったそうです。
これは、高反発シューズによる高速化が原因で、ランニングフォームに変化が起こったためと考えらえれます。
シューズによって、マラソン強豪国のケニアやエチオピアの選手の走り方に近くなったそうです。
その結果、足腰の強化にそれほど力を入れていなかった選手に股関節周辺の故障が増えてしまった。
そんな中、青山学院大学は足腰の強化を行ってきたので、シューズによってケニア・エチオピア勢のようなフィジカルの強さも手に入れることができ、優勝に至ったと言えるのではないでしょうか。
道具を使いこなす
どんなに優れた道具でも、使いこなせなければ意味がありません!
道具に頼りすぎれば、痛い目に合うのは自分です。
腰痛の人がコルセットに頼れば筋力は弱まる一方です。
自動車免許とりたての人がF1のレーシングカーを乗りこなすのは難しいでしょう。
ゴルフ初心者に、高性能なドライバーはいりません。
小学1年生のランドセルも危なっかしいものがあります。
道具に使われるのではなく、使いこなせる人になりたいですね♪
おしまい。
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