少し前ですが、コオーディネーショントレーニングを通して知り合ったAさんとお話しする機会がありました。
ドイツでご一緒させていただいたときから指導熱心な方だなぁと感じていたのですが、教員を勤めあげ、小学生のバスケのコーチをされているんだそうです。
教えていた教師時代、教えない今。
指導者や先生と呼ばれる人は、自身の教員生活の反省も含め、「教えすぎ」であり「教えたがりすぎ」と話すAさん。
今、一番意識しているのは、「教えないこと」なんだそうです。
試合の後、子どもたちに問いかけると、
・自分に何が必要か
・何が足りないから試合に負けたのか
など、しっかり理解していると言います。
それを聞き、正しく導くのがコーチの役割だとおっしゃいます。
私も、教えずに考えさせるスタイルは賛成派です。
1から10まで教えていては試合で的確な判断ができる選手なんて育ちませんし、
スポーツをする・しない関係なく、自分で考えて判断して行動できる人が増えてほしいと思います。
引き出しの数、足りてますか?
教えないだけなら簡単です。子供の話を聞くのも簡単です。
でも、それだけでは正しい方向に導くことはできません。
子どもたちが感じた「足りないもの」に対して、何をすれば足りる状態になるのか?
ここで、どれだけの引き出しを持っているかが問われます。
フックシュートの練習をするとか、フェイントの練習をするとか、ディフェンスをこうするとか、何か1つができるようになれば良いという問題ではありません。
もっと根本の部分が大切です!
そもそも筋力の問題なのか、反応が悪いからなのか、体力がないのか、予測するチカラの問題なのか、、、
コオーディネーショントレーニングについて勉強することが、根本解決の1つになると考えます。
合同練習のオファー殺到
練習試合や試合に行くと、「何でAさんのチームは短期間でそんなに伸びるんだ?」と聞かれることが多く、合同練習のオファーが絶えないそうです。
「伸びるのは、少ない練習時間の中でもコオーディネーショントレーニングの時間をしっかり確保しているから」とのこと。
コオーディネーショントレーニングを学んだ者としては当たり前とも思えるのですが、バスケならやっぱりバスケの練習に力を入れてしまうのが一般的(他のスポーツも同様)。
そして、いくら合同練習から練習内容だけをパクっても、なかなか結果には現れないでしょう。
頭が痛いのに胃薬を飲んでも良くならないのと一緒です。
引き出しの種類が増えたところで、使い道を間違えていたら意味がありません。
コーチングとティーチング
マネが上手なのは良いことですが、コーチングをするなら、なぜそれが必要かを理解した上で様々な角度から提案できるチカラが必要です。
何となく知っているもの、自分ができることを教えるのはティーチング。
あなたがやっていること(受けているもの)は、コーチングですか?それともティーチングですか?
コメント